人生をどう眺めるか

アフターライフ―――亡き兄が伝えた死後世界の実在、そこで起こること

あちらの世界で自分の人生を眺めたときどんな風に思うのか…ここに書きとめた「人生に負ける経験こそ、僕にとっての勝利に等しかった」という言葉、涙が出そうになりました。

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 亡くなった人は最終的には上の世界を去り、宇宙に映し出されるホログラムを眺めることになるけど、生きていた頃と同じ善悪のとらえ方で見ることはなくなる。その頃には、人間として抱えていた生前の概念を捨て去り、自分の人生を聖なる視点でとらえるようになる。
 人は生きている間には、自分の人生の素晴らしさを十分に感じられないのが普通だ。さまざまな考えにとらわれて、人生という奇跡が見えなくなっている。
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 僕が生前、どうしてあんな生き方を選んだかは、人間の理解を超えている。
 どうして僕みたいな生き方を選ぶ人がいるんだろう、だって?それはね、薬物依存症の人生が僕にとっては最も興味深い生き方のひとつだったからさ。あれは僕が経験すべき大事な苦しみだったんだ。そして人生に負ける経験こそ、僕にとっての勝利に等しかった。
 僕だってそんなことは生きている時にはまったくわからなかったけど、地上での悲惨な出来事があってこそ、今いる場所へと向かう準備が整うことになった。
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 僕のいる場所は地上とは違い、自分の行きたい場所じゃないところに向かう人なんて誰もいない。だから輪廻転生して地上に戻る魂もいれば、死後の世界にとどまって宇宙とひとつになる準備をする魂もいる。きちんと準備できていないと、宇宙とひとつになるなんて耐えられないんだよ。
 僕は生活が立ちゆかなくなるほど薬に溺れた。でも、それが宇宙とひとつになるための準備だったなんて誰に思えただろう?だから、君も含めて、誰も他人の人生を評価なんかできない。時に君に困難が訪れたり、一人ぼっちになったりすることがあるかもしれないけど、それは宇宙とひとつになる準備なんだよ。
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 物事が思うように進まないこともあるだろうけど、でもそれは、自分が思っている以上に大きく素晴らしい存在だからこそ起こることなのかもしれないんだ。