許さなくてはならない人はいない?

アフターライフ―――亡き兄が伝えた死後世界の実在、そこで起こること

このメッセージ、まだ私自身、意味がわかってない気がしますが、大事だということは感じます。

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 地上では、誰が誰より優れているなんていう問題があって、そのせいで人は苦しむことになる。だけどそれは、人を不幸にするための「マヤ」のフォース(力)、つまり幻影でできたゲームみたいなものでしかないんだ。人に幻を見せる目的のひとつに、人をみじめな気持にさせるってことがある。
 でも、同じことを僕が今いる場所から眺めると、どんな魂にもそれぞれの美しさがあることがわかる。・・・
 ・・・
 僕は救い出されてから丸2年、依存症に苦しみ、そして死んだ。君は僕をマルガリータ島から救い出してくれたけど、本当には僕を救えなかったと思っているだろう?
 僕が死ぬまでの最後の2か月間、君は僕に、「近寄らないで一人にして」と言った。
 僕はね、溺れる者だったんだ。アニー、君を道連れにしようとしていた。
 僕には過去の思い出なんかどうでもいいことになったけど、でも君がそうして泣いているから言うけど、僕たちの最後の喧嘩には思い出よりも大事なことが含まれていたってことを知ってほしい。
 地上での出来事は、ほんの一時的なものにすぎない。
 ・・・
 ・・・アニー、許さなくてはならない人なんて誰もいない。だって、僕たちは生まれる前にどう生きるかを約束してから生まれてくるんだから。
 僕たちは前世で何かいけないことをしたから、それを今つぐなわなくてはならないというふうには生きていない。本当にそんなふうにできてはいない。「目には目を、歯には歯を」と考えるカルマの公式なんてない。少なくとも僕が今いるところには。
 魂のタイプ別に自分が体験することを選んでいる、といったほうがいいと思うけど、どのみち生きている間にこのことを理解する時は来ない。
 そして、理解しないままに、自分が体験することこそが、人生での大事な一部なんだ。
 もし、世の中の人がこの仕組みを知れば、自分の振り上げた拳を下ろす人も出てくるだろう。拳を振り上げなくなる、これも"悟り"のひとつだろう。