らしいエピソード

イチロー・インタヴューズ ((文春新書))

イチローさんらしくていいなーと思ったところです。

P183
「そもそも僕、団体行動が大嫌いですから、日本人が少なくても気になりません。日本にいた時、ホテルでみんな一緒に食事をするじゃないですか。そういう時でも僕は、一人だけ違うテーブルで食べるのが好きでした。みんな、だいたい誰かがいる方へいくでしょう。でも、僕は誰もいない方にいく。無理してるわけではなくて、前向きに、そっちへいく。みんなのところへいってしまう自分の方が、よっぽど寂しい(笑)」

P267
「たとえば、アップのときには全力で走るとか、早く来て個人で練習しているとか、そんなことは僕にとって当たり前のことで、特別でもなんでもないんですけど・・・僕にとって、すべては野球が好きだからってことなんですよね。何かしらの責任感から練習をやる人とか、野球を仕事だと割り切ってやっている人もいるとは思いますけど、僕は『野球、好きだから』ってところが原動力になってるんです」

P374
 ・・・イチローはメジャー史上初の9年連続200安打を成し遂げたとき、「他人との戦いから解放された」「自分の中の何かと戦うことは当然」と語っていた。
「人と争わなくて済むなんて、最高じゃないですか。それって超えた人だけの特権ですから。・・・よく、刺激がないんじゃないかとか、寂しいんじゃないかと訊かれますけど、そんなこと、まったくない(笑)。刺激なんて、自分の中から出てくるんですよ。だって、野球が大好きなんですから。ここは間違いなく、王監督と僕の相通じるところだと思います。・・・いろんなことを犠牲にして、そこに至っているのは、自分を野球に捧げてきたからです。グラウンドの上でぶっ倒れてもいいと思える覚悟があるかどうか。・・・大好きだからこそ、その覚悟ができる。王監督にも僕にも、野球のために命を削る覚悟があるということです」