ひとりじゃひきこもれない

20代で隠居 週休5日の快適生活

この辺りも共感して読みました(^^)
世界を旅した時のお話です。

P143
 繁華街SOHOのインターネットカフェで働き始めて少し余裕ができた頃、ふと、あれ?と思いました。
 私はひとりで旅をしていたんじゃなかったのか、と。
 その頃の私の生活はといえば、食うに困らない程度に仕事をし、休みの日は古本屋で安く買ってきた本をひきこもって読みあさり、セインズベリーというスーパーに行って食材を買っては自炊し、硬水で淹れたおいしいミルクティーを飲み、たまに数少ない現地人の友達から「元気?遊びに来るかい?」と電話があれば会いに行ったり……。
 気づいたら、日本にいた頃とほとんど変わらない、地味ハッピーな生活を送っていました。

 そもそも、なんでこんなことに?と思い返してみれば、ロンドン初日に宿が取れず、ナイトクラブで夜を明かしてたら、なぜか友達ができて、彼らが家に泊めてくれたんだし。
 仕事は自分で見つけたけど、道端の看板持ちを始めて1週間で店内スタッフに昇進させてもらえたのは、ぐうぜん店にいたマネージャーとだべってたら気に入られちゃったからだし。当時住んでたフラットだって仕事仲間のメキシコ人の紹介だったし……。
 助けが助けを芋づる式に呼んできました。
 だいたい、それまでの旅だって、ひとりで旅してるように見えるけど、オーストラリアでパスポートをなくしたときも、ニュージーランドヒッチハイクしたときも、ハワイでなぜかまた他人の家に泊めてもらったときも、必ず誰かが私を助けてくれていました。
 そういえば日本でひきこもっていたときだって、炊事や洗濯や郵便物の受け取りをしてくれていた家族はいつもいたわけで。
 なんか、そう思うと、自力でやってることってあんまりないな〜、と思ったのでした。

 結論。
 世界一周、本当に行ってよかった!
 一番の収穫は、一人旅もひきこもりも、みんながいてこそできる、というのがわかったこと。
 状態としてはひきこもりかもしれないけど、そういう環境を作ってるのは私と周りのみんなですからね。
 振り返ってみると、実はたくさんの他人の力があってこそ、旅を続けることができたわけです。
 当たり前だけど、なんとありがたいことか。
 そういう意味では、ひきこもりも同じこと。これは発見でした。
 人はひとりだけでは、旅をすることも、ひきこもることもできないのです!
 
 いやあ、あのままずっとひきこもってたら自分ひとりで生きてるような顔したオッサンになってたかもしれないと思うと、ほんとに、空恐ろしいです。
 私が今まで目立った努力もしないで、それでも生きてこられたのは、周りの人のおかげに違いありません。
 他力本願バンザーイ!