「ボクは坊さん。」の白川密成さんが書いた「空海さんに聞いてみよう。」を最近電車の中で読んでます。
空海さんの言葉を、日常のヒントにできるような解説付きで紹介してくれてます。
文庫は満員電車でも読みやすいのでありがたい。
ちょっとずつ読んでてまだ途中ですが、いいな、と思ったところです(^^)
P49
言葉や形で、"本当のこと"は表現できますか?
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真理はもとより言葉を離れたものですが、
言葉がなくてはその真理を表すことができません。
普遍的な真実は色・形あるもの(物質的存在)を
超えたものですが、
色・形あるもの(物質的存在)を通じてはじめて
真実を悟ることができます。
法は本より言なけれども、
言にあらざれば顕はれず。
真如は色を絶すれども、
色を持ってすなわち悟る。
弘法大師空海『請来目録』
「限界」と「できること」を同時に考える
・・・
この言葉の中で空海さんは、「真理」を呼ばれるような深い場所にある「本当のこと」は、本来言葉とは違うものだけれど同時に言葉にしなければ、それを表すこともできない、と語っています。
言葉の限界を知りながら、言葉だからできることを知る。この考え方は、弘法大師が「言葉以外」のトピックにも話を展開させていることからわかるように、あらゆることにつながった考え方だと思います。「それ」が「それ」であることの「限界」と「できること」を知る。何度も思い出す言葉です。