ムダな行動なんてない、ほんとにその通り、と思います。
ああムダだったな、とわかったからムダじゃなかった(笑)ということもありますが(^_^;)
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「後悔先に立たず」というように、せっかく行動に移したのにそれが裏目に出たり、失敗したりすると、「ああ、ムダなことをしたな」と後悔するかもしれません。
しかし、ムダかムダでないかは、一概に言えません。
ムダというのは、ある一つの視座からの判断でしかないのです。視座の転換をすることで、多様な見方があることがわかります。行動や出来事ひとつとってみても、どの視座をとるかによって意味が変わってきます。
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たとえば、スティーヴ・ジョブズは、大学を中退したときに、カリグラフィーに魅せられて、一所懸命にその技術を学びました。大学からドロップアウトして、何のメシの種にもなりそうにないカリグラフィーに没頭したのです。ムダの極みと言ってもいいでしょう。
しかし、ジョブズは、のちにその経験をMacの多彩なフォントに生かしました。現在のMacはもちろんWindowsであっても、多彩なフォントが標準装備されているのは、ジョブズがカリグラフィーを学び、コンピュータに「文字の美しさ」という価値観を導入したからなのです。
もしもジョブズが「カリグラフィーを学んだことはムダだった」と思って、顧みなかったらどうでしょう。
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ジョブズは、Stay foolishと言いました。
ムダを恐れるよりも、ムダなんてないのだと開き直り、バカになってどんな体験も活かしてしまいましょう。