東田直樹さんの「風になる」
ビッグイシューの連載を読んでいたので本は買ってなかったのですが「跳びはねる思考」にすごく感動したので、改めて読みたくなって買いました。
ここでも‘自分らしく生きる’ことについて書かれています。
心に響いたところをご紹介したいと思います。
P23
僕は、どんな人も、内面というものをもっていると信じています。それを表現できるかどうかは、その人の努力だけでは、どうしようもないことなのだと思います。なぜなら、コミュニケーションがとれない人にとって、自分の気持ちを伝えるのは、大きな壁に穴を開けなければいけないくらい大変なことだからです。普通の人は自由に会話し、身体も自分の意思でコントロールできます。そんな当たり前のことができない。自分のことが自分でもよくわからない。それが、自閉症ではないのでしょうか。
P47
僕には、明日が想像できません。記憶が線でつながらず、点のような感覚だからです。明日という日は、今日の続きではないのです。
たぶんみんなは、連続テレビドラマのような毎日だと思いますが、僕の明日は、新しい自分がそこにいるだけです。では、新しい自分とは、どのようなものでしょう。
僕にとって、毎日が新しい自分だというのは、昨日の記憶が消えてしまうからではありません。記憶は残っていますが、過去の中でどの位置にあるのかがわからないのです。朝を迎えることは、今日の僕がそこに存在するだけです。
P59
・・・時間の流れを体感できない僕にとって、今何もすることがないのは永遠に何もすることがない状態と同じです。漠然とした不安の中で、この先自分がどうなるのだろうという思いにかられます。この瞬間、自分らしく生きることができているか、それが僕には最も重要なことなのです。
「・・・改めて自分というのは何者かを考えるようになりました。今の僕は、“原始人の要素をもった最新型の進化した人間”だと考えています」という言葉がありましたがまさに・・・感動と尊敬の気持ちで読みました。