上原浩治さんの本

覚悟の決め方 (PHP新書)

上原浩治さんの「覚悟の決め方」を読みました。野球が大好きなので、おもしろかったです(^^)
・・・自分自身は何度か草野球に混ぜてもらったことしかないのに、なぜにここまで野球が好きなのか不思議です(笑)

その時与えられた場でベストを尽くすこと、そのために日頃からどんな準備をしたらいいか、心技体全て整えるには、ということを中心に書かれています。
中学では陸上部(野球部がなかったそうです)、高校では外野手(投手やってみないかと言われたそうですが、走り込みの多い練習メニューが嫌だったとか)、浪人時代に野球ができず、初めて自分がどんなに野球が好きかわかった・・・という道を歩んできた上原選手だからこその、野球ができる、そのことだけが何よりの喜びという姿勢が響きました。

すーっと読めてしまうので、ここ、と引用するのが難しいのですが、少しご紹介したいと思います。

P106
 どんなに苦しい状況に陥ったとしても、それがずっと続くことはありえない。すべて人生におけるある通過点に過ぎないのだ。
 だから、そういう時は「ここが我慢のしどころだ」と自分に言い聞かせ、焦らずに自分の足元をしっかりみつめ、小さくてもいいから目標を定めて一段一段、段階を追って少しずつ上がっていけばいい。そうしていればまた必ずチャンスは巡ってくるし、悩み、もがき苦しんでこそ、人間は成長できる。私はそう信じている。

P121
 大切なのは、「常識だから」と盲信するのではなく、「本当に正しいのだろうか」と疑問を抱き、自分自身で試してみることだろう。その結果やはり正しいとなれば実践すればいいし、間違っていると思えば、たとえ常識と呼ばれることであっても無視すればいい。
 どんなことでも最初から拒否してしまうのはもったいないし、逆に「せっかく努力したのだから」と無駄なものに未練を残し、執着してもいいことは何もない。

P146
・・・メジャーでは、過去の実績や栄光はなんの役にも立たない。生き残るためには現実を見なければならないのだ。たとえ不本意な起用のされ方であっても、腐らずに我慢して投げ続け、結果を出すしか道はないのである。ちっぽけなプライドのために、肝心の目的を見失ってしまうのは愚かだ。

P164
 先発だった時は私も分からなかったのだが、楽なポジションなんてない。リリーフにはリリーフの大変さ、苦労があり、それらは先発の大変さ、苦労とは別物で、決して較べられるものではない。実際にリリーフを体験してみて、初めて分かった。先発も中継ぎも抑えも、ただ役割が異なるだけなのだ。チームにとっての重要度は変わらない。私は中継ぎという役割に誇りを持っていた。