意識と無意識の不思議

人間と象徴 上巻―無意識の世界

そういえば、こんなことも書いてあったな〜と思い返しつつ、
改めて興味深く思ったところのご紹介です。

P40
私は、まったくの昏迷状態でクリニックに入院してきた婦人の例を思い出す。翌日、意識を回復したときに、彼女は自分が誰であるかを知っていたが、そこがどこであるのか、どのようにして、どういう理由でそこへ来たのか、また日付さえも知らなかった。しかし、私が催眠をかけた後で、彼女はなぜ病気になったのか、どのようにして病院に連れてこられ、誰が入院を認めたかをすべて私に告げた。これら細部のすべては立証された。彼女は病院の玄関で時計を見たから、入院してきた時間をさえ言うことができた。催眠状態において、彼女は非常に明晰で、まるでずっと完全に意識があったかのようであった。
・・・
われわれは多くのことをそのときには認知することなく、見たり、聞いたり、嗅いだり、味わったりしている。