岡本太郎さん

芸術は爆発だ!―岡本太郎痛快語録 (小学館文庫)
実家にまたおもしろい本が置いてありました。
芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録」
長年秘書をされていた、岡本敏子さんがまとめられたものです。
岡本太郎さんがこういう方だったとは、この本を読むまで知りませんでした。
まさに宇宙のような、とてつもないスケールの方だったのですね。
興味深かったところを、また書きとめておきたいと思います。

P69
岡本太郎が言っているのは「私は全人間として生きたいのだ」ということ。
「芸術家であるのになぜ民族学をやったか。私は現代社会の職能分化に反対だからだ。人間が絵描きであったり、小説家であったり、あるいは靴職人である、それだけであるなんて卑しい。人間はもっと全人間的に生きるべきだ」
だから彼の職業は「人間」。もっと言えば、「岡本太郎」だった。

P124
さまざまの条件のなかで、それぞれ彩りは違うけれど、人間はみんな孤独なんだ。そして何かの折に、孤独だなあ、と言いようのない寂しさを噛みしめる。
なぜ寂しいんだろうか。
人間はみんな孤りで生まれてきたんだし、結局は孤りで死んで行くしかない。それが常態であるならば、寂しいはずなんかないのに。
ぼくは、それは人間ひとりだけでは全体になりえないからだと思う。
個体は完結しているように見える。だが実はそうではないんだ。