迫力があります

あの人の宝物: 人生の起点となった大切なもの。16の物語

 美術家の田窪恭治さんと草間彌生さんのこのエピソード、こういう生き方もあるんだなと印象的でした。

 

P224

 若いころは怖いものがないと簡単に言う。だが、たとえばマルセル・デュシャンに代表されるような反芸術ともいわれる現代美術を、無名の青年が生業にしようとしたとき、日本はひどく冷たく過酷だ。先の見えない不安は、怖れに変化しなかったのだろうか。

「そりゃあいろんな不安が伴います。三十代半ばになっても収入もない。どんどん臆病になりかけていたあるとき、評論家か誰かがテレビで、〝学者や芸術家は年金なんかあてにするな〟と言っていました。芸術は守りじゃだめだってね。でも現実の生活では僕は、生活保護をもらおうかと考えている。しばらくしてから、仲良くしてもらっていた草間彌生さんに、生活保護を考えたこともありましたと話したら、彌生さんが真顔で〝もらえるものはもらいなさい。それをもらって絵を描くのよ!〟と言われたんです。目からうろこでした。描くためなら世間体などどうでもいい。彌生さんも体を張って芸術をやっている。書物には出てこない言葉ですが、大切なことを学びました」

 

生きる姿勢

あの人の宝物: 人生の起点となった大切なもの。16の物語

 吉沢久子さんと蛭子能収さんの言葉。どちらからも、地に足のついた生き方が感じられ、そうありたいなと思いました。

 

P47

 吉沢久子的、心のひきだし

一 生きる目線は低く

 高いところからは真実は見えない。好奇心さえあれば、どんなささやかなことからも、学べる。

二 使わなくてはかわいそう

 宝石も器も骨董も、使わないとかわいそう。老いじたくのかわりに、使わないものは人に差し上げて身軽にしている。

三 人に強制をしない

 家事のやり方、楽しめるかそうでないかも、人それぞれ。正解は自分のなかにしかないので、強制はしない。個性やライフスタイルに合わせて、自分なりの正解を見つけて欲しい。

 

P215

 蛭子能収的、心のひきだし

一 約束の時間を守る

 僕の絵は下手で、いまでもなんとかギリギリのところで使ってもらっていると思っている。だからせめて約束や締め切りは守りたい。基本的なことはちゃんとしておきたい。

二 自分の食べる分は自分で稼ぐ

 日々食えないと、生きていけない。まず生活を自分で成り立たせる。それから好きなことに挑む。順番を間違えてはいけない。

三 人が言うことに振り回されるな

 そもそも人はいいことも悪いことも無責任に言うもの。いちいち気にしないこと。自分が正しいと思うことを、自分が信じていればそれでいい。

ファンレター

あの人の宝物: 人生の起点となった大切なもの。16の物語

 人生のこんな展開、面白いなぁと思いました。くまのパディントンシリーズなどを翻訳した松岡享子さんのお話です。

 

P27

 ・・・大きなキャリーバッグから最初に取り出した宝物は、七歳の読者、田中たくじくんからの手紙である。

 原稿用紙に筆圧の強い、枡目いっぱいの大きな字でこう書かれていた。

「がんばれヘンリーくんをやくしてばかりいないでいそいでくまのパディントンをやくしてください。おもしろくて、おもしろくてやめられません。はやくあと7さつともやくしてください。松岡享子さんはやくはやくやくしてください(後略)」

 一枚に「はやく」が六回書かれていた。松岡さんは目を細めて言う。

「こんな迫力のある手紙は、後にも先にももらったことがないです。達意の文章ってこういうことを言うんじゃないかしら」

 ・・・たくじくんとは、そこから思わぬ交流が始まった。

「夏休みはお母様と大阪から図書館へいらしたりして。高校生になってもお手紙をくれてね。あのときだけは筆圧がシューってか細くなって、胸が痛みましたね。日本の教育って子どもをこんなにするのかって。彼の結婚式にも出席したんですよ、私」

 私は目を丸くした。そんなことがあるから人生って面白いのよねと、松岡さんは少女のように首をすくめて微笑んだ。

 たくじくんは京都大学で農学博士号を取得後、カナダの大学で准教授になった。その彼のもとに、二〇〇六年、思いもしない仕事が日本から舞い込む。

 松岡さんが、『パディントンのラストダンス』の共同訳を彼に依頼したのだ。

「心配はありませんでした。子どものころから好きだという強い気持ちをわかっていますから、その気持ちに託したのです。はたしてすばらしい訳があがってきました。ずっと読んできたから、イメージができているんですね。パディントンシリーズは三冊、彼に頼みました。メールのやりとりも楽しかったですね」

 ・・・

 子どものころ大好きだった作家と、三十四年後に好きだった作品の仕事を一緒にするとはいったいどんな気持ちだろう!これこそ、一通の手紙から始まったファンタジーではないか。

あの人の宝物

あの人の宝物: 人生の起点となった大切なもの。16の物語

 16人の方の、大切なものと、人生の話。心に響くエピソードがたくさんありました。

 こちらは、田村セツコさん。

 

P19

 生きていればいろんなことがある。ときに涙すること、ままならない辛いことが、田村さんにもある。だがそれらを、負の記憶として蓄積させない。

「私、車に轢かれたことがあるの。傷心の私にご近所の方が、〝きっと亡くなったお母様が守ってくださったのね〟っておっしゃって。ああ、本当に生きててよかった。骨が折れてなくてよかった。母が守ってくれたんだわって思ったら、嬉しくなって。運転していた人も、きっとどこかで後悔しているだろうなあと思いました。こんな言い方は変かもしれないけれど、その人に、私はこんなに元気にしているから安心して欲しいって伝えたくなりました」

 また、こんなこともあった。バスの中に、原画を十五点入れたバッグを忘れてきた。バス会社にも聞き、散々探したがとうとう見つからなかった。

 あれを拾った人は嬉しかったんだろうなあって。返したくないほどいい絵だったんだな。その気持ち、わかる、なぁんてね。半分冗談だけど、そう思うようにしたの」

 あの……、それは本当に?見えない相手への怒りとか、どうしようもないやるせなさとか、そういった気持ちはないのでしょうか?そう聞くと、田村さんは首をすくめ、冗談めかして答えた。

「私は怒りを持続する頑張りがきかないのよ」

 いや、そうは言ってもと食い下がると、今度はまっすぐな眼差しで、きっぱりこう言った。

「トラブルには必ず、学べてよかったと思えるヒントと、悪かったことの両面があります。怒りを手放すヒント、嫌なことを考え続けるのをあきらめるヒント。人生に必要なことをトラブルから学べる。たとえばね、ひどいことをする人を許す快感というものがあるのよ。それを味わえたら、ああ良かったわ、嬉しいって思うの」

倍音声明トーニングワークショップ

HEART SUTRA

以前、アクアヴィジョンのセミナーにも講師で来てくれていた森岡万貴さんの倍音声明ワークショップが、数年ぶりに開催されます。

私もお手伝いしますので、よかったらどうぞご参加ください♪

倍音声明は、エネルギーの変化が身体で実感できるので、その反応が面白くて大好きです(^^)

9月23日(月祝)15~17時 

参加費8000円

場所は新宿御苑前駅から、徒歩5分くらいのところです。

詳細は、万貴さんのHPをご覧ください↓

https://makimorioka.jimdo.com/2019/08/23/%E5%80%8D%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E6%98%8E%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0-%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97-%E6%9D%B1%E4%BA%AC-%E9%96%8B%E5%82%AC%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99/

 

 

現実にとらわれなくなる

再開です(^^)

またこちらの本から。

 

ほら起きて! 目醒まし時計が鳴ってるよ

 とても大切なことだなと思いました。

 

P203

 さてこの章を終えるにあたり、大切なことをお伝えしなければなりません。

 それは「現実を良くするために統合するのではない」「現実を変えるために統合するのではない」ということです。統合が進むと、本来の高い周波数を反映した現実が創られていくため、その日常は、豊かさや喜びに満ちた調和のとれたものになります。でも、そうなると、「現実がスムーズになってきたから、これはこれで楽しい。このままがいい、なんとかこの状態を続けたい。失いたくない」と、その「現実そのもの」にフォーカスが向きはじめることがあります。

 これでは目を醒まして行く方向とは「真逆」になってしまいます。統合のプロセスが止まってしまうのです。なぜなら、本来の僕たちは自分の「内側にすべてがある」ことを知っていたため、それに気づかないように、「外側」に強くフォーカスさせられ、注意を逸らされることで、眠っていたからです。

「じゃあ、望む現実を生きたいと現実にフォーカスするのは違うのでは?」と思うかもしれません。でもこれは前にも触れた「本当に望むことに動くことで、目を醒まさないように使っていたバイブレーションを捉えるため」です。それを手放すから、自分の中が満ちていき、周波数は上がり、本来の自分を思い出していくことになるのです。現実そのものにフォーカスするためではありません。

 そうして目を醒ますと、「なんだ、全部自分の中にあって、すべてとつながっていて、自分がすべてを創り出していたんだ」と、本当の意味で「わかり」、その意識から現実を創り出すため、かえって逆に、現実にとらわれなくなるのです。

 自分が本当に望めば何でもできる、何にでもなれることを知っている意識になるので、何かが形になってもいいし、ならなくても、それはそれでいいと思うようになるのです。つまり執着がなくなっていくのです。

 

つながっているサイン

ほら起きて! 目醒まし時計が鳴ってるよ

 こういう感覚を感じたら「あなたにとって正しい道ですよ」というサイン。恋慕ふわよ、は覚えやすいですね(^^)

 

P133

 ・・・人生のあらゆる面で、自分の中に湧き上がってくるサインがあります。それに耳を傾けてください。次のような感覚を感じたら、「あなたにとって正しい道ですよ」というメッセージが翻訳されています。そのサインをわかりやすく、「恋慕ふわよ」とでも覚えてください。つまり、

 こ 心地よい

 ひ ひかれる

 し しっくりする(すっきりする)

 た 楽しい

 ふ 腑に落ちる

 わ ワクワクする

 よ 喜びを感じる

 です。

 僕たちはもともと宇宙意識という高い周波数で振動している存在でした。周波数が高いために、「こ・ひ・し・た・ふ・わ・よ」の状態が自然で、この感覚をポジティブと表現すれば、憎しみ、恨み、嫉妬、苦しみ、悲しみ、というような相反するネガティブな感覚は、そもそも理解できなかったのです。

 ・・・

 本来僕たちはあらゆることに興味を抱き、何でも知りたがり、何にでもさわりたがり、何でも経験してみたいと感じる好奇心旺盛な魂です。それゆえにこそ、進化途中の、次元が低い地球に、未知の感覚を体験しようとワクワクしながら降りて来たのです。地球特有の、できない・やれない・難しい・不安・心配・絶望感・無価値感・罪悪感などのバイブレーションを目いっぱい楽しもうと思ったのです。

 ですから本来の自分である宇宙意識の感覚を思い出すとワクワクします。人生が生き生きと感じられます。その瞬間はハイヤーセルフ(宇宙意識)にしっかりとつながっている状態だからです。・・・「この状態に一致していますよ」というサインが、「こ・ひ・し・た・ふ・わ・よ」という感覚です。つまりハイヤーセルフとしっかりつながっている状態ー・・・このサインが聞こえたり感じられたりしたら、「迷わず進みなさい」というメッセージです。何かを選択するときは、このサインを思い出すとよいでしょう。

 ・・・

 あなたがハイヤーセルフとしっかり同調していると、普通ではあり得ないようなシンクロニシティ(意味のある偶然)を体験します。・・・日常がだんだんシンプルに、スムーズに流れるようになります。こんなにうまくいっていいのかと心配になるかもしれません。僕たちが自分で創り出している人生がスムーズに進むのは、本来「当たり前のこと」なのです。

 

 ところで、ちょっと2日ほどブログをお休みします。

 またすぐ再開します。

 いつも見てくださって、ありがとうございます(*^-^*)